顕微レンズ計測のポイント

顕微レンズを用いる計測のポイント

極小対象物の温度分布を確認する場合、1ピクセルの画像分解能を拡大する顕微レンズの使用が必要です。
最適なレンズとカメラの組み合わせを選定するために、以下の3つのポイントが重要です。

(1) 焦点距離
(2) 1ピクセルの計測範囲
(3) 全体測定範囲

(1) 顕微レンズの焦点距離

顕微レンズを装着する場合、焦点を合わせることのできる距離(WD)は固定され、調整をすることが難しくなります。
また、この焦点距離(WD)は対象物からかなり近く数mm程度となります。(画素数、レンズによって異なります。)
対象物から出来るだけ距離をとって計測したい場合は、画素数の大きいサーモグラフィカメラを選択します。
※顕微レンズを装着した場合、焦点調整を適切に行うために上図のような固定冶具(XYステージ等)のご使用をお勧めいたします。

各顕微レンズと焦点距離の関係は以下のとおりです。

画素数 320×240画素 640×480画素
顕微レンズ 100μmレンズ 50μmレンズ 100μレンズ 50μmレンズ 25μmレンズ
焦点距離(WD) 79mm 33mm 172mm 84mm 46mm

(2) 1ピクセルの計測範囲

顕微レンズを用いると1ピクセルの計測範囲は指定の大きさに拡大されます。
分布を計測したい対象物がどの程度の細かさであれば温度分布を確認できるかが重要です。
目安として、5ピクセル分よりも温度として認識したい箇所が十分大きいことを確認してください。

例:10m㎡の発光体の通電時の温度変化を計測したい。
→発熱部分は0.5m㎡程度の細かさで変化する

0.5mm=500μmですので、発熱部の分布は以下のようになります。

100μmレンズで計測したとき→5ピクセル分
50μmレンズで計測したとき→10ピクセル分
25μmレンズで計測したとき→20ピクセル分

上記のピクセル数が多いほど発熱箇所の温度分布や形状はより細かく鮮明に表示することができます。

(3) 全体計測範囲

画像分解能は上記で確認しましたが、カメラの画面に写る全体計測範囲の確認も重要です。
顕微レンズを使用すると、1ピクセルの計測範囲は指定の大きさで同じですが、
カメラの画素数によって全体計測範囲が変わり、画素数の大きいものほど、全体計測範囲は大きくなります。

図:100μmレンズを使用したときの320×240素子と640×480素子の違い

1ピクセルの計測範囲は100μmで同じですが、全体計測範囲は4倍の違いになります。

各顕微レンズと全体視野の関係は以下のとおりです。

画素数 320×240画素 640×480画素
顕微レンズ 100μmレンズ 50μmレンズ 100μレンズ 50μmレンズ 25μmレンズ
全体計測範囲 32×24mm 16×12mm 64×48mm 32×24mm 16×12mm

参考:10円硬貨を各レンズで撮影したときの画像イメージ

640×480画素サーモグラフィ 100μmレンズ 50μmレンズ 25μレンズ
320×240画素サーモグラフィ 100μmレンズ 50μmレンズ