放射率の設定について

一般的な物体は、放射だけではなく反射の影響を受けることがあるため、正確な温度測定値を得るには、放射率の設定を行う必要があります。極端に放射率が低い光沢のある金属などは、反射源が特定されている場合に限り、放射率補正が有効です。反射源が把握できない場合は、正確な放射率を算出することは困難ですので、反射源が一定になるような環境で測定を行ってください。測定者やカメラ自体が反射源となることもあります。壁が反射源となる場合は、室温を反射温度として入力します。

1.対象物の正確な放射率、反射温度が分かっている場合

代表的な物体の放射率はカメラに付属しております詳細取扱説明書(DVD)に放射率一覧として表記されております。
放射率補正はカメラ上で行う方法と撮影データに対してソフトウェア上で処理する方法の2通りがあります。

1-1.カメラ上でのパラメーター入力

1)カメラのメニュー画面から測定パラメーターを選択

2)放射率を選択し、数値を調整する
 
3)反射温度を選択肢、数値を調整する

1-2.ソフトウェア上でのパラメーター入力

1)ソフトウェア上で画像を選択し、解析画面を開く
2)パラメーター項目の放射率、反射温度を入力する

2.放射率を簡易的に求める方法

放射率の分からない対象に対して、簡易的に放射率を求めるには主に2通りの方法があります。

2-1.黒体テープなどに予め放射率の分かっているもので放射率を割り出す方法

1)反射源となるものの温度を反射温度として設定します。
2)黒体テープなど放射率が予め分かっているものを対象の表面に貼り付けます。
3)黒体テープの放射率を正しく設定した上で、1を貼り付けた箇所の温度を計測し、温度値を記録します。
4)1を貼り付けていない場所を測定し、カメラ画面上の温度値が2で記録した温度値に合うよう、測定パラメーターの放射率を調整していきます。

2-2.接触式温度計などで測った温度から、放射率を割り出す方法

1)反射源となるものの温度を反射温度として設定します。
2)接触式温度計で計測した対象物温度を記録しておきます。
3)1で計測した温度になるように、測定パラメーターの放射率を調整します。

ローカルパラメーターでスポットごとに異なる放射率を設定する

解析ソフトFLIRToolsでは、2点のスポットに対して、異なるパラメーターを設定することができます。
ローカルパラメーターを適用させるには、指定スポットを選択した状態で、右クリックし「ローカルパラメーター」を選択します。
例:スポット1はパラメーターで放射率設定を行い、スポット2はローカルパラメーターで設定した放射率を適用